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牛乳宅配が家電サービスを開始!既存客のつなぎ止めや新規契約も

有明乳業
(佐賀県佐賀市久保田町、下原健二専務)
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本業の牛乳宅配の需要が変化し、事業の多角化を図っているのが佐賀県佐賀市の牛乳販売店「有明乳業」である。2024年夏に「ライフサポート事業部」を開設し、同年7月にコスモスベリーズに加盟した。宅配契約者の暮らしのお困りごとや不便、不安などの解消に努めており、なかでも大きく飛躍しそうなのが家電サービス事業だ。お困りごと解決ビジネスでは既存客の解約防止だけでなく新規契約にもつながっているという。家電を中心とした同社のライフサポート事業を取材した。

▲佐賀市の有明乳業

●牛乳販売店のライフサポート事業とは

「お客様の暮らし」と「負担になること」を助ける

東京商工リサーチによると、2023年の牛乳販売店の休廃業・解散は27件と過去最多を更新した。販売店の人手不足だけでなくコンビニの普及、価格の上昇など市場の環境要因も大きい。

▲「顧客接点が我々の強み」と下原健二専務

「現状以上には宅配件数は伸びないだろう」と有明乳業の下原健二専務。牛乳宅配の落ち込みをカバーしようと、同社が取り組んだのはお客様のお困りごとや不便、不安を解消するライフサポート事業だ。

具体的には草刈りや庭木の剪定、エアコンクリーニング、屋内や家回りの掃除など暮らしをより良くするサービスの提供である。

「我々の強みは宅配のお客様約5,000世帯とつながっている配達員40人の顧客接点。牛乳の宅配では月に何度も顔を合わせるため、連絡を受ければすぐに状況を把握し、迅速に対応できる。この強みを生かせるのがお客様に寄り添ったライフサポートサービス」と下原専務。
有明乳業の設立は1994年3月。牛乳の宅配事業を通じて30年以上も地域のお客様との信頼関係を築いてきた。

ライフサポート事業の現場責任者は宅配事業部の高山裕一氏。事業のスタートに当たっては契約のお客様にどのような需要があるのか、市場調査を試みた。

▲「電話一本で駆け付けます」と高山裕一氏

家電のお困りごとをリアルで解決

「調査の中で特にニーズが多かったのは庭木の剪定や草むしり、雨戸やドアの修復、照明器具の入れ替え、エアコンや換気扇のクリーニングなど。とくに庭木の剪定が多く、ご主人が脚立に上ったりするとあぶなっかしいからと奥様からのご要望で…。こういった作業は息子さんがいても頼みづらいという声もあった」。

「お客様から様々なお困りごとを聞くなかで、どこに相談したらいいのか分からないという声も随分あった。そこで『牛乳のことも、暮らしのお困りごとも、有明が電話一本で駆け付けます』とアピールした」(高山氏)。

▲ライフサポートサービスの案内(有明乳業のサイトより)

また、牛乳宅配契約者向けには、日常のちょっとしたお困りごとに対応する「10分間無料サポート」も用意。

お困りごと解決サービスはリピーターが多く、初回の依頼をきっかけに相談内容が広がっていくケースも少なくない。利用者は高齢者に限らず、共働き世帯や子育て世代からの依頼も増えているという。

こうした暮らしのお困りごと解決を入り口に、特に広がりを見せているのが家電サービス事業だ。

高山氏は家電サービスとお困りごと解決サービスの相性は抜群と話す。「例えば家電の修理依頼やアフターサービス。相談先が分からないというお客様だけでなく、メーカーの音声ナビガイダンスの使い方に困っているお客様も多い」。

音声ナビガイダンスに不慣れなお客様は、必要な窓口にたどり着くまでに何度も案内を受ける場合も多くある。そのため、「家電のお困りごとにリアルで対応する当社の取り組みが評価されている」と高山氏は話す。

●具体的な家電の販促活動

エアコンクリーニング件数は100件を超える

コスモスベリーズには2024年7月に加盟。それ以前にもエアコンクリーニング事業を展開していたので、新規参入組ながら家電販売は順調なスタートを切った。

▲自社チラシで家電需要を促進

家電の販促活動は契約中のお客様に、牛乳やヨーグルトをお届けする合間を縫って自社チラシを配布する。

エアコン売り上げのウェイトが高いのは理由がある。地元の電気工事業者やエアコンクリーニング業者と提携しており、エアコンの提案・販売だけでなくエアコンの取り外しや据え付け、移設なども一括して対応できる体制を整えているからだ。

中でもエアコンクリーニングの依頼件数は2025年だけでも100件を超えている。エアコン販売のテコとなっているのはこのエアコンクリーニング事業だ。

下原専務はエアコン販売に本腰を入れたきっかけについてこう話す。
「お客様からエアコンクリーニングのご依頼をいただきましたが、提携業者に確認したところ、機種が古くクリーニング対応が難しいとのことでした。しかし、せっかくの依頼は逃したくない。ビジネスチャンスにつなげるには、と考えました」。

そこで、コスモスベリーズに加盟し、依頼があったお客様のエアコンが古い場合は、買い替えを訴求。これが当たる。 
 
夏商戦ではパナソニックとダイキン、富士通ゼネラル製品の売り上げが伸びた。BFC.Netの商材情報を参考に提案したのが功を奏したようだ。

同社は3か月に1回のペースで家電の販促会議を開く。大きなテーマは毎月のオリジナルチラシに掲載する商品のチョイスである。
「予想外だったのは1月、2月のチラシに掲載したエアコンの反響。次の夏を見据えた買い替え需要が、冬場にも動き出したと感じています」(高山氏)。

▲エアコンを訴求した自社チラシ

そこで、下原専務はエアコン分野に商機があると判断した。3月~5月の春商戦ではエアコンクリーニングやエアコンの買い替えをチラシで訴求。需要を促進する一方、本格的な夏商戦に備えた。

また、エアコン販売の付加価値化を図ろうと、従来まで業者に任せていたエアコンの現地調査も高山氏が担当する。

現地調査では既存のエアコンの型番や容量はもちろん、設置環境や搬入・施工条件、電源の他、お客様の要望など何を聞けばよいのか、専門業者にヒアリング項目をリストアップしてもらった。

高山氏は専門業者の協力を得てエアコンクリーニングの技術も習得。専門店に負けない技術やスキルを磨き、エアコンを切り口に家電事業を軌道に乗せたい考えだ。

大型家電のリサイクル回収サービスはありがたい

家電事業ではさらなる追い風もある。冷蔵庫や洗濯機など大型家電の配送設置及びリサイクル品収集運搬業務を、ヤマダデンキのインフラを活用しワンストップで委託可能とする「家電リサイクル回収」サービスを開始したことだ。

▲宅配事業とライフサポート事業の共存を目指す

家電リサイクル回収とは、家庭から出る家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/乾燥機)を処分する際に、資源を回収して再利用するための仕組み。お客様は処分時に「リサイクル料金+収集運搬料金」を負担する義務がある。

「これまで冷蔵庫や洗濯機の販売に二の足を踏んでいたのは、家電リサイクル回収がネックになっていたから。大型家電を回収できるサービスの提供はありがたい。これからは積極的に販売できる」。

では、今後のライフサポート事業を下原専務はどのように考えているのだろうか。
「サービスの顧客を広げるのが第一。自社のホームページではお客様のお困りごと解決を強力にアピールしており依頼件数は着実に増加。人員を増やすなどで宅配事業との共存を目指す」。

ホームページでは具体的なサポートサービスのラインアップやお困りごと解決の事例(ビフォア&アフターなど)の他、LINEの友達登録の案内なども発信。SNSでもフェイスブックやインスタグラムでPRしている。

下原専務は「サポートサービスは本業にもプラス面が出ている。お客様の牛乳解約が減少し、お客様の口コミで牛乳の新規契約も。将来的にはライフサポート事業が牛乳宅配事業を補完する存在から、事業の一つの柱に成長していくだろう」と展望を語る。

 

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