燃料店

満足度120%!異業種が知って得する

モリナガ
(福井県大野市日吉町、森永泰充社長)

コスモスのサポート・サービス活用術

LPガス業者にとって、家電販売は売り上げだけでなくお客との信頼関係を構築する重要な要素である。福井県大野市のモリナガ有限会社(以下モリナガ)でも経営基盤の強化に欠かせない事業の一つに育った。2011年7月にコスモスベリーズに加盟。家電の仕入れ・販売はもちろん、コスモス独自の加盟店コミュニティ「コスモス倶楽部北陸」では大きな刺激を受けたという。さらにヤマダデンキのインフラを活用した「ヤマダ宅配(中型・小型)」や「直取り」にも積極的に取り組んでいる。LPガス業者のコスモス活用術を詳しく見てみよう

▲モリナガ有限会社の店舗外観

●コスモス加盟店のきっかけ

量販店並みの売価を実現する仕組み

「ガスと家電はお客様の暮らしを支える重要インフラ。両事業は親和性も高く、ガスユーザーからエアコンや洗濯機などを頼まれるケースも多い」と話すのはモリナガ社長の森永泰充氏。

●図 福井県大野市の地図

そもそも同社はLPガス販売の他に電気工事も行っているので、エアコンやアンテナ、テレビなどの据え付け技術がある。

ただ、本格的に事業を展開するには一つのネックがあった。価格である。
「家電量販店やネット通販、テレビショッピングなどの影響で、お客様も家電の価格にはシビアになっている。従来の取引先では量販店価格より仕入れ価格の方が高かったので、家電の取り扱いには消極的だった」。

家電販売は難しいと考えていた矢先、森永社長の目に留まったのがコスモスベリーズからの加盟案内のDM。量販店並みの売価を実現する仕組みがあると知って驚いたという。価格問題がクリアできそうだと考え早速加盟する。

▲森永泰充社長

同社では燃料需要が高まる冬季に比べて夏季はそれほど忙しくはない。一年中安定した売り上げを確保したいと考えていた森永社長。夏場のエアコン販売が見込めるコスモス加盟は同店にとって「干天の慈雨」といえるかもしれない。

▲地域密着のガスの点検・メンテナンス活動

 

問題は家電販売の知名度の低さ。まず、取り組んだのは、コスモスベリーズが燃料店向けに毎月制作しているチラシの配布。チラシには「ガスも家電もおまかせください!」というキャッチコピーが掲載されており、既存のお客にアピールできると考えた。

チラシは毎月無償の100部と、年2回開催のイベントでは1,300部をオーダーし手渡しで配布して知名度アップにつなげている。

▲燃料店向けに制作しているチラシ

●コスモス倶楽部で新たな人脈と商売のヒントも

家電業界の最新動向やトレンドをチェック

同社の顧客数は約2,000世帯。LPガスユーザーにどのような形で家電販売を展開していけばいいのか。新規参入の市場だけに不安は尽きない。その不安を解消し、新たなビジネスの視点やアイデア、ヒントを与えてくれたのが「コスモス倶楽部北陸」だ。

これは地元の福井県をはじめ石川県、富山県の北陸3県の加盟店有志が定期的に開催する勉強会のグループ。家電店を中心に燃料店、電気工事店、リフォーム店などが参加する業種の垣根を超えた集まりで、家電販売のノウハウを共有したり、情報交換の場として活用している。

▲今年4月に開催されたコスモス倶楽部北陸

コスモス本部と加盟店、加盟店同士がリアルとオンラインでつながっており、グループラインなどでも近況を報告し合う。懇親会では家電ビジネスの成功例だけでなく失敗例なども本音で語り合い、各店のビジネスに役立てているという。

メンバー間の緊密な情報交換も重要なポイントである。森永社長にとって、家電業界の最新動向やトレンド、話題の商品などをチェックする絶好の機会になっている。

「皆さんとの交流を通じて、こちらが思いもつかないビジネスのアイデアやヒント、気づきが得られる。他のグループでは得られない貴重な体験だ」(森永社長)。

他のグループでは得られない貴重な体験とはどのようなものなのか。まず、紹介したいのが今年4月に行われた勉強会。4月13日に改装オープンしたオダデンキ(福井県福井市)の見学会を兼ねて行われた。

オダデンキの売り場は大きく「防災・アウトドア」「リビング・小物商品」「季節・健康商品」「キッチン家電・ワークショップ」「リフォーム・水周り」という5つのコーナーで構成されている。

▲「オダデンキ」見学会の模様

地元業者とのコラボに注目

森永社長が注目したのは「キッチン家電・ワークショップ」のコーナーだ。
「健康」をテーマに、ホームベーカリーやヘルシオホットクックなどの自動調理器、オーブンレンジの多彩な機能を生かした料理教室を開催している。

家電だけでなく、かつおぶしやオリーブ油などの健康食材などを取り扱っている点も「目から鱗」だったと森永社長は話す。

「当店でも年2回のイベントでは調理家電の試食会を行っているが、健康というテーマ性をもった取り組みは非常に参考になった」。

「防災・アウトドアコーナー」で展示されていたキャンプ用品にも注目した。福井市のアウトドア専門商社の人気アイテムだ。「地元の業者とコラボすることで、お客様と店との接点が広がる。非家電のお客様も取り込める面白い企画だ」。

メンバーの取り組みで印象深かったのが、「テックみなみ」(富山県富山市)のユニークな家電のレンタル事業だ。家電の「設置費」「修理費」「改修費」「リサイクル処分費」などを全て無料としたサービスで、アパートやマンションなどの物件需要に結びつけている。

「家電のレンタル事業だけではなく、太陽光や蓄電池、V2Hなどに意欲的に取り組んでいるお店など、メンバーの店は新規ビジネスのチャレンジャーが多い。勉強会では毎回、大きな刺激を受けてます」。

●売り上げアップの秘訣

▲暮らしに密着したリフォームの提案も

ヤマダデンキのインフラを活用

モリナガのコスモス仕入れ額はこの1年、大きく上昇している。エアコンを中心に冷蔵庫や洗濯機など生活家電の売り上げを伸ばしているからだ。「ガスも家電もおまかせください」というアピールが既存客に浸透してきた結果だろう。

また、コスモス倶楽部北陸での勉強会の他にコスモスベリーズのサポート・サービスを積極的に取り組んできたことも挙げられる。

その一つが中型・小型家電を対象とした「ヤマダ宅配」サービスだ。ヤマダウェブコムの在庫を利用して配送するもので、「早く商品を届けてほしい」というニーズに対応するスピード配送システム。24時間365日発注可能で24時間以内に出荷でき納期も見えるようになっている。

▲店内では家電製品の品揃えを増やしている

ヤマダデンキ店舗から直接、商品を仕入れられる「直取り」も積極的に取り組んでいる。急ぎのお客には注文日の翌日に設置していると森永社長。ヤマダデンキのインフラを活用し、家電の「モリナガファン」を増やしている。

同店の創業は大正元年(1926年)4月。現在の従業員数は8名で年商は2億8,000万円。「永続性のある企業を目指したい」と森永社長。燃料、住設・リフォームに新規の家電を加えた3本柱で100年企業に王手をかける。

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