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日立系列店の新たな選択 「第二の仕入れ先」と地域貢献

サカモト電器
(静岡県焼津市、坂本明弘社長)
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国内大手家電メーカーの再編や事業規模の縮小などが加速し、メーカー系列店は主力仕入れ先の見直しを迫られている。地域店で最も多いのが年商3,000万円クラスのファミリー経営店。このクラスの地域店がこれまで以上に経営判断を求められている。今年1月にコスモスベリーズに加盟した日立チェーンストールのサカモト電器(静岡県焼津市、坂本明弘社長)もその中の一店。加盟には家族の反対もあったが、一系列では激変する家電市場に対応できないと、コスモスベリーズの門を叩いた。

▲お店のサービスが伝わる実用的で信頼感のあるサカモト電器

サカモト電器の選択

▲坂本明弘社長

コスモス加盟を決断した理由

「有力な第二の仕入れ先を確保したかった」――。坂本社長がコスモスベリーズに加盟した大きな理由だ。

近年は国内大手家電メーカーの事業見直しなどもあり、一つのメーカーだけでは扱える商品の幅が限られる場面も増えているという。

また、家電事業の見直しだけでなく、営業マンの削減など地域の販売会社への営業体制の見直しも進めている。日立系の販売会社では昨年7月、地域店営業部からエリアパートナー営業部に名称を変更した。

かつて地域店は「メーカー系列店」として、特定メーカーの看板を掲げ、仕入れも販売もそのメーカー中心で行うのが一般的だった。

だが、近年は系列店の系列離れが進んでいる。メーカーの再編・縮小により、従来のような手厚い支援や専任担当制度が弱まり、系列店が“一つのメーカーに依存するリスク”を強く意識するようになったからだ。

加えて海外メーカーの台頭によって、海外メーカー商品も幅広く扱える仕入れ先を利用するという選択肢も広がっている。

▲海外メーカー商品を扱える仕入れ先を選択肢に

コスモスベリーズの安定した商品供給力

ただコスモスベリーズ加盟の決断には家族の反対もあった。サカモト電器の創業は1976年。「日立さんには創業時からお世話になった。今後もご縁をつないでほしい」と、お母様(美年子さん)の日立への思いが強かったからだ。

しかし坂本社長は次の理由から加盟を決断する。
1.国内・海外メーカー商品が安定的に確保できる
2.大型家電の配送設置に対応してくれる
3.仕入れノルマがない
4.看板を変えなくてもよい
5.在庫リスクがない

さらには、信頼する同じ系列の電器店からコスモスベリーズの加盟を勧められたことも坂本社長の決断の背中を押した。

コスモスベリーズはヤマダホールディングスグループの一員であり、VCはそのスケールメリットを活かして、ヤマダデンキが扱う国内メーカーや海外メーカー商品も競争力のある価格で安定的に仕入れることができる。坂本社長がまずメリットとして考えたのが安定した商品供給力だ。

コスモスベリーズのメリットはそれだけではない。ヤマダデンキの倉庫や配送網を利用できるため、大型家電の配送設置はスタッフの少ない小規模店にとっては大きな助けとなる。

▲大型家電の配送設置だけでなくユーザーの暮らしをサポートする

実は坂本社長、冷蔵庫や洗濯乾燥機など大型家電の配送設置は地元の電気組合の仲間と組んで対応している。

だが、商品を至急届けてほしい、希望日に届けてほしいというお客様の要望に応えるためには、安定した配送設置のネットワークが不可欠。将来自分が配送設置できなくなることまで考えたとき、お客様に迷惑はかけられない――。これも、坂本社長がコスモス加盟を決断した大きな要因の一つだった。

冒頭に述べたように、サカモト電器にとってコスモスベリーズは第二の仕入れ先。仕入れは日立系販社とのバランスをとりながら売り上げを拡大したいと話している。

地域貢献活動とサカモト電器

地域のボランティア活動に積極参加

坂本社長は現在51歳。生涯現役を目指している坂本社長にとって、サカモト電器は地域に愛される存在になりたいと考えている。

そこで、坂本社長が最も大切にしているのが地域との密接なつながり。その手段は地域のボランティア活動である。その活動が重要だと思うきっかけを作ってくれたのが10年前のことだ。

▲認知症サポーター養成講座

認知症の一人暮らしのお客様との出会いである。出会いを通じて感じたのは「身寄りのない認知症の方は放っておけない。誰かがケアしなければ…」という強い思いだった。

それから独学で認知症の勉強を始め高齢のお客様の面倒をみる。そうした活動が評判となって地元の焼津市から「チームオレンジ」北道原(焼津市の北部エリア)代表の要請を受ける。

チームオレンジとは、認知症の初期段階からの心理面・生活面の支援を行う地域の仕組み。全国の各市町村がコーディネーターを配置し、認知症の人や家族の困りごとに対応する。

チームオレンジでは「認知症サポーター養成講座」や、便利だけど自分には出番がないものを集め、必要な人が無料でも持ち帰れる「モッテケマート」、地元の焼津さばとみそこんにゃくを食べてもらう「さば祭り」などを毎年開催し、地域恒例のイベントとして定着している。

こうした活動を通じて、坂本社長は地域の皆さんのお役に立ちたいと一層強く思うようになる。

▲モッテケマートの模様

▲防災講座の模様

地域イベントを展開する「北道原壮年会」の活動にも参加している。毎年恒例の夏の提灯祭りや秋まつりなどでは焼き鳥やビール、ジュースなどを販売する屋台を出す。

その他、個人でのボランティア活動も積極的だ。防災士の資格を取得し店内で「防災教室」を実施。最近では「スマホ教室」がお年寄りの評判になった。

というのも焼津市では物価高対策としてデジタルクーポン(焼津市の公式LINE)を配信しているが、お年寄りの中には、スマホでクーポンを受け取る方法がわからない人も多い。

▲スマホ教室の模様

困っている人を見ると見て見ぬふりができない坂本社長。スマホに詳しい人を講師として依頼し、店内でスマホ教室を開催している。

こうした取り組みが再び注目を集める。「プロの電器店として賢い家電製品の使い方をお話していただきたい」と地域のコミュニティからの依頼がきた。今年6月に行われる予定のさかもっちゃんの家電講座だ。

電器店の仕事は究極のボランティア活動

地域貢献活動は結果としてビジネスにも好循環を生んでいる。具体的には、「(値段を)値切らなくなる」、「商品選びを任せてくれる」、「口コミで来ていただくお客様が増えた」、「若い世代のお客様が近くに住むお父さんやお母さんを紹介してくれるようになった」などだ。

坂本社長の真面目で真剣な地域貢献活動が誰彼となく人の目につき、人の気持ちを変えたのだろう。「(家電を)売ろうとしなくても自然に売れるようになった」(坂本社長)と話す。まさに地域の電器店の一つの理想形だ。

▲サカモト電器のトリセツ

同店の取り組みを分かりやすく伝えているのがサカモト電器のトリセツ(A4サイズの12ぺージ)である。坂本社長の地域への深い思いとお客様への向き合い方、仕事への誠実なこだわり、さらに町を元気にする活動が記されている。

トリセツではなぜ家電が自然に売れるようになったのか。そのヒントが掲載されているので引用しよう。

・さかもっちゃんに言えば何でもやってもらえるから気楽でストレスがない。
・小さな仕事でも嫌な顔せずやってくれる。
・あんただったら何でも言いたいことが言える。
・本当にどうするのがいいのかを正直に教えてくれる。
・その時だけじゃなくて、ずっと面倒を見てもらえるから安心。

坂本社長にとって、電器店の仕事とは究極のボランティア活動といえるかもしれない。

第二の仕入れ先を持つことで商品提案の幅を広げながら、地域活動を通じて信頼を積み重ねる。メーカー系列店のあり方が変化する中で、サカモト電器の取り組みは、これからの地域店の経営の一つの選択肢を示している。

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