電気店

異業種コラボで家電・リフォーム事業に活力!典型的なパパママ店の成長戦略とは

フタバデンキ
(大阪府富田林市常磐町、小路純弘社長)
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日立系列のフタバデンキ(大阪府富田林市)は、小路純弘社長と奥様で経営する典型的なパパママ店だ。それでも年商は4,500万円と一般的なパパママ店の売り上げ規模を凌ぐ。その秘密はコスモスベリーズを中心とした他社とのコラボレーションに注力している点にある。一人では難しい案件をアウトソーシングしたり、他社との協力関係を構築するなどで、家電はもとよりリフォームや中・大型設備の電気・空調工事に対応している。どのように他社と協力して成果をあげているのか、具体的に見てみよう。


▲フタバデンキの店舗外観

●コスモス加盟のきっかけ

仕入れ先のリスクヘッジ

同店がコスモスベリーズに加盟したのは2012年1月のことだ。薄型テレビやブルーレイディスクレコーダーなどのデジタル家電特需が急速に萎んだ年で、その年日立は薄型テレビの自主生産から撤退した。

「加盟のきっかけは同じ日立系列の仲間からコスモスさんのお話しを伺ったこと。それまで業界誌などでコスモスさんの取り組みに興味を持っていたので、早速加盟しました」と小路社長。


▲薄型テレビはソニーの「ブラビア」を品揃え

家電製品が安く仕入れられる点と、家電大手だけでなく国内専業メーカーや海外メーカーなど幅広い仕入先が確保できる点にメリットを感じたという。

一方、日立系列店として商売を永続的に行っていけるか、という「漠とした不安もあったから」と小路社長は明かす。

実際、乾電池や磁気テープを取り扱っていた日立マクセルは2017年10月に日立製作所から独立し、社名を「マクセルホールディングス」に変更した。

さらに、海外メーカーに委託していたテレビの生産を見直し、テレビ事業から完全に撤退。日立系列店は2018年10月からソニーの「ブラビア」を販売することになった。

今年7月には家庭用エアコンの製造から撤退すると発表。ジョンソンコントロールズ日立空調の株式をドイツのボッシュに売却する。ただ、「白くまくん」ブランドのエアコンは引き続き製造され、HITACHIロゴを付けて販売を継続する。

こうした一連の日立「家電事業」の動きに対し、小路社長は「既に日立一社ではお客様を満足、納得させる商売は難しい。12年前に思い切ってコスモスさんに加盟して良かったと思っている」と話す。仕入れ先のリスクヘッジが功を奏した結果になった。

今年4月〜8月のエアコン商戦は前年同期比20%増と好調に推移。7、8月の連日の猛暑でエアコンの買い替えが順調に進んだからだ。幅広いメーカー製品を仕入れられるコスモスのメリットも生かされたようだ。


▲幅広い商品の仕入れが可能

今年5月、同じ日立系列の仲間の店から「メーカーの取り扱い商品が縮小する中で、家電店を続けるにはどうすればいいか」という相談を受けた。小路社長はコスモスベリーズを紹介し加盟に至ったという。

●フタバ流「コスモス活用術」

取り扱いジャンルが広がる

コスモスベリーズ加盟後のフタバデンキの変化ポイントはいくつかある。一つは取り扱い商品が多岐に渡り大きく広がった点だ。

●図 フタバデンキの主な仕入れ商品

一般に地域店の取り扱い商品は、エアコンや洗濯機、冷蔵庫、掃除機などの生活家電に偏りがちだが、同店は生活家電に限らず、AV機器や調理家電、健康家電、PC関連機器など幅広く取り扱っているのが特徴。

前述したように、家電事業を縮小している日立では取り扱い商品に限界がある。
ヤマダデンキのバイイングパワーを背景に、お客の要望に応えられる十分な商品アイテムを仕入れられるコスモスの強みを生かしている。

「特に調理家電分野では、象印やタイガー魔法瓶など国内専業メーカーが非常に強く、指名買いが増えているので助かっている」(小路社長)。

中型・小型家電の仕入れには「ヤマダ宅配サービス」を活用している。「ヤマダさんのインフラを活用したスビード配送システムで、商品の納期が見えるのがポイントだ」と小路社長。商品は自店にいったん届けてもらってお客様宅に配送、設置しているという。


▲調理家電は指名買いが増えている

ヤマダ宅配は電子レンジや炊飯ジャー、中小型テレビ、扇風機やサーキュレーターなどの急ぎの注文に利用している。

商品の発注は加盟店向けのウエブシステム「BFC.Net」を活用。仕入れに必要な原価情報や売価情報はもちろん、定番情報や特価情報、販促に役立つ情報など地域店にとって必要不可欠な情報をカバーしているシステムだ。

商品発注の仕方はこうだ。「お客様からのコールが来ると、例えば冷蔵庫ならば現在使っている機種の後継機種をチェック。さらにお客様のご要望をお聞きし、在庫の有無や納期、価格などを確認し、3商品程度に絞って提案する」。

ハードはお客宅に持ち込みできるタブレットPCなので商談中でも色や寸法、容量などを最終的に細かくチェックできるのもメリットだ。

BFC.Netはメーカーカタログに掲載されていない商品も確認できる利便性の高いツール。小路社長は加盟店向けに低価格でサービスを利用できるレンタルiPadを使っている。

ホームページ作成サービスを検討

フタバデンキの差し迫った課題は「新規客の獲得」だ。顧客層は高齢客がメーンなので、年月の経過とともに需要の先細りが懸念される。かといって外回りは小路社長一人。既存客の販促活動や発生業務、困りごとなどに対応するのが精一杯だ。

10年、20年という持続可能な経営(サステナビリティ経営)を目指すには業務効率を高める働き方が重要になる。そこで、コスモスベリーズが提供する無料のホームページ作成サービスの活用を検討している。

ホームページを作成する上で必要なテンプレートの利用や編集ツール、SEO対策、モバイル対応などのサービスを提供するものだ。


▲「BFC.Net」に掲載されているホームページ作成支援の案内

ホームページのメリットは大きい。お客は家電や暮らしの困りごとが発生した場合、地域の家電店のホームページをチェックする。店側でも自店の知名度アップはもちろん、コンテンツ次第では販促にも生かせる。

申し込みは加盟店向けの専用フォームを利用する。フォームに店名や住所、店のPR文や写真を記載して送稿するだけという簡単なものだ。

●異業種コラボで収益性の高いビジネス

地元業者のネットワークを構築

パパママ店で年商4,500万円というのは特筆される数字だ。年商の半分は家電販売や家電関連のソフトサービスだが、残りの半分はリフォームや工場などの電気・空調工事で占められる。小路社長の営業力はもちろんのことだが、異業種コラボの取り組みも一役買っている。


▲経営情報システムの活用で大型商品の見込み客を逃さず

リフォーム事業では、電気工事以外の内装や塗装工事、大工工事、ガス工事、解体工事、屋根工事などは地元業者とのネットワークを構築。小路社長は各業者に専門工事をふる。

中・大型設備の電気・空調工事では、もっぱら工場内の電気設備の設置や保守、修理などを行う。ここでも空調設備工事や電灯設備工事、高圧受変電設備工事などに対応できる地元業者のネットワークで対応する。

さて、販促活動はどのように展開しているのか。同店の顧客数は約600世帯。顧客を管理しているのはメディアネットワークジャパンが開発した「羅針盤総合Pro」で導入時期は2009年3月に遡る。

羅針盤は販促ツールとして優れている。一つはある一定期間内にテレビや冷蔵庫などを購入した顧客を簡単にリストアップできる「絞り込み検索機能」

さらに、自店の顧客データからお客の「最新購入日」や「購入頻度」、「購入金額」などから見込み客を絞り込める「RFM分析機能」を備えている。購入金額の高いお客様ベスト100や、購入頻度の高い顧客をリストアップし販促に生かせる。

同店は家族経営のため資金や人手が限られ、仕入れや在庫管理、顧客管理などが非効率になりがちだ。それを補っているのが経営情報システム。一人親方の強力な助っ人になっているようだ。

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