2022.12.15

お知らせ

当社加盟店の事例が紹介されました

コスモスベリーズが提唱する、地域のお困りごとを地域の異業種が連携して解決する仕組み「ローカルプラットフォーム」。
この仕組みの事例として新潟県上越市で展開する「ズバっと!解決上越」(新潟県上越市、渡邉裕人代表)が日本ボランタリーチェーン協会の会員向け交流セミナーで取り上げられました。

「地域密着店のお困りごと解決のネットワーク」が地域を活性化

力を合わせて地域のお困りごとをワンストップで解決する

隣の空き家に発生した白アリで、自宅が被害を受けた。そうした相談を受けたのは2022年の8月。話を聞くと、相談者の隣の家は長らく空き家となっており、ここ5年ほどは草刈りもしていない状態だという。その空き家から白アリが発生し、相談者の家に被害をもたらしたのだ。

これは「ズバッと!解決上越」に寄せられた実際の相談だ。隣の家に再三電話をしたが、連絡がつかなかったことから、士業の人に入ってもらった方がよいと判断。メンバーの行政書士が所有者確認を調査。その結果、連絡を取っていた人物以外に2人の所有者がいたことが判明したため、3人に内容証明郵便を送ったところ、全ての要求に応じる旨、3人から回答期限内に返事があった。その後、家の所有者から費用を出してもらい、専門の業者が入り、庭をきれいにすることで、このお悩みごとを解決した(現在は家が解体され、空き地になっている)。

こうしたことは今や、日本全国どこでも起こることだ。だが、実際にこうした事態に直面すると、誰に相談をしたらよいのか分からないし、相談した相手がきちんと解決できるかも分からない。

そうしたお困りごとをワンストップで解決しようというのが、「ズバッと!解決上越」だ。
このローカルプラットフォームは2020年11月17日に、9つの事業所で設立された。お困りごと解決の依頼件数は、2022年10月末現在で130件。設立から1年強はほとんど依頼がない月が続いたが、現在は安定して月に10~20件の依頼が入るようになっている。

代表の渡邉裕人さんが「ズバッと!解決上越」を設立しようと思ったきっかけは、お客さま宅を訪問したときの経験にあった。渡邉さんの本業はパソコン教室の経営とITサポート。高齢者のお客さま宅を訪問し、パソコンの初期設定や修理を行うことが多いが、パソコンの設定中に世間話をしていると、「テレビの調子が悪い」であったり、「部屋のふすまがはがれて」などのお困りごとについて聞くことが多かった。

だが、これらは渡邉さんにとって専門外。自分では何もしてあげられないが、お客さまのお困りごとをどうにかしてあげたいと思っていたという。そうしたとき、コスモス・ベリーズの「ローカルプラットフォーム」について知る。そして、これがこうした問題の解決につながると考えると同時に、その考え方に共感し、実現させたいと思ったのだ。

これまでのやり方では地域のお困りごとに対応できなくなる

地域社会と地域密着店。この2つは今、大きな課題に直面している。日本の多くの地域社会は人口減と超高齢化という課題を抱え、地域密着店はそうした環境変化を受け、事業の先行きは決して明るいとはいえない。このままでは、地域社会も、そこで商売をする地域密着店もいずれ存続できなくなってしまう。

こうした状況を変えようとするのが、ローカルプラットフォームだ。
ローカルプラットフォームは地域社会を活性化させる。

コスモス・ベリーズではローカルプラットフォームを『加盟店(電気店)の周辺エリアで、自店のサービスだけでは解決が難しいお困りごとを受けた場合、燃料店、電気工事店、食品スーパー、リフォーム店、水回り店、便利屋など地域のそれぞれの専門性をもった地域密着店をネットワークして、その地域の生活者の困りごとを横の連携で解決していく事業モデル』と定義している。

今の日本は各地に、高齢の夫婦や単身の高齢者が生活する世帯が多くある。そうした世帯では、健康であっても、生活の質や機能を維持できなくなっている人が増えている。

これまで、そうした人たちのお困りごとは、地域密着店が家族代わりになってサポートしてきたが、今後、高齢化がますます進めば、相談は増え続け、自店のサービスだけでは対応できないお困りごとも増えていく。

そこで、「地域に密着した専門店がネットワークを組むことで、自店で解決できないことは信頼できる仲間に依頼できる」ようにするのが、ローカルプラットフォーム。そうして、地域社会のさまざまな課題を解決していこうとしているわけだ。

ローカルプラットフォームは地域密着店の本業を強くする

ローカルプラットフォームは地域密着店の生産性を高める。
地域密着店の現状を見ると、人口が減少していく中、電気店は今の顧客に家電を販売したり、家電の修理・工事をするだけでは事業は先細りしていくし、燃料店、工務店、電気工事店なども本業だけでは経営が厳しくなっていく点は変わらない。この地域密着店の課題をローカルプラットフォームは解決する。

ローカルプラットフォームでは「参加各店の顧客を紹介し合えるので、新規客開拓の一助になる」。ローカルプラットフォームに加入した店舗や事業所は、それぞれ地域で営業活動を行い、お客さま宅へ上がる機会も多い。そうしたときに聞いたお困りごとで、自分で解決できないものはローカルプラットフォームの仲間に紹介できるので、「顧客との信頼関係が深まり、本業の仕事にもつながる。それにより各店の稼働率が高まっていく」。つまり、ローカルプラットフォームは、地域密着店の本業を強くするのだ。

持続可能性を高めるSDGsの取り組みにもなっている

ローカルプラットフォームは地域密着店の持続可能性を高める。
ローカルプラットフォームは地域社会と地域密着店の課題を解決するものだが、これは「お困りごとの解決を通じて地域課題の解決という社会的価値を実現させ、本業を成長させることで経済的価値を高めるもの」だからだ。

今は社会的価値を創造できない企業は社会から受け入れられない。だからこそ、社会的価値と経済的価値の両立が重要で、それにより持続可能性を高めることができる。

電気店、燃料店、工務店、電気工事店を中心に、86の地域密着の業種が加盟するコスモス・ベリーズ。地域に根差し、地域の生活者から支持され、地域で商売を続けてきた加盟店だからこそ、地域を思う気持ちは誰よりも強い。そうした加盟店が力を合わせ、地域社会のお困りごとを解決するのは、地域密着の店舗や事業所が集まるコスモス・ベリーズだからこそできることといえるだろう。

「コスモス・ベリーズは、加盟店と社員と共に、地域社会の発展に貢献します」というSDGs宣言を行い、3つの重要課題を挙げて活動を行っているが、その中の一つ、「地域社会の持続的発展」を実現させる取り組みが、ローカルプラットフォーム。コスモス・ベリーズではローカルプラットフォームを日本で300、400とつくり、社会への貢献をしていこうとしている。